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「先進医療」とは?後悔しない選択のための基礎知識

コラム

がんや難病など、命に関わる病気に直面したとき、多くの人が「最善の治療法を受けたい」と願います。

そんなとき耳にするのが「先進医療」という言葉ではないでしょうか。

先進医療とは何か?

先進医療とは、厚生労働省が認可した、最先端の医療技術のことを指します。

保険診療との併用が可能なものもあり、通常の治療では難しいとされる病気にも、新しい治療の選択肢が広がる可能性があります。

令和7年6月1日現在で77種類が登録されています。 

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先進医療の種類 

先進医療は、「先進医療A」と「先進医療B」に分類されます。

先進医療Aは、未承認の医薬品や医療機器を使用しない技術で、比較的安全性が高いとされています。

一方、先進医療Bは、未承認の医薬品や医療機器を使用する技術で、より慎重な評価が必要とされます。

以下は、代表的な先進医療の例です:

  • 陽子線治療:がん細胞に対して高精度で放射線を照射する治療法。
  • 重粒子線治療:陽子線よりも重い粒子を用いた放射線治療で、より高い治療効果が期待されます。
  • 内視鏡的胃局所切除術 (EFTR):胃の腫瘍を内視鏡で切除する手術法。
  • 子宮内膜受容能検査:不妊治療において、子宮内膜の状態を評価する検査。

これらの治療法は、特定の医療機関でのみ実施されており、患者の状態や希望に応じて選択されます。

受けられる条件と手続き

先進医療を受けるには、以下の条件を満たす必要があります:

  • 患者が先進医療を希望すること
  • 担当医師がその必要性と合理性を認めること
  • 厚生労働省に届け出た医療機関で実施されること
  • 治療内容や費用について十分な説明を受け、同意書に署名すること

これらの条件を満たすことで、先進医療を受けることが可能となります。

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費用と保険の関係

先進医療にかかる費用は、技術料が全額自己負担となります。

ただし、診察料や検査料、投薬料、入院料などの通常の治療と共通する部分については、公的医療保険が適用されます。

また、これらの費用は高額療養費制度の対象となるため、一定の負担軽減が図られます。

先進医療を選ぶ際の課題

しかし、先進医療を選ぶ際にはいくつかの課題があります。

技術の選択肢が増える一方で、「自分の病気にとって最適な先進医療とは何か」を見極めるのは簡単ではありません。

さらに、どの病院・医師がその技術に熟練しているのかまでは、なかなか調べきれないのが現実です。

ここで重要なのが、「名医」と呼ばれる、専門性と経験を兼ね備えた医師に相談することです。

先進医療の成果は、技術そのものだけでなく、それを扱う医師の技量によって大きく左右されます。

的確な診断と、技術への深い理解があってこそ、患者にとって本当に有益な治療選択が可能になるのです。

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まとめ

先進医療は、最新の医療技術を用いた治療法であり、患者の選択肢を広げるものです。

しかし、技術料が全額自己負担となるため、費用面での負担が大きくなる可能性があります。

そのため、治療を受ける前に、医師と十分に相談し、治療内容や費用について理解を深めることが重要です。

当社では、こうした医療選択に悩む方のために、病状に応じた「名医」をご紹介するサービスを提供しています。

全国の専門医ネットワークと連携し、患者様一人ひとりにとって最適な医師・治療機関をご案内します。

先進医療の選択肢を考えるとき、最初の一歩は「名医に出会うこと」から始まります。

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投稿者

小野正文 教授(医師・医学博士)