かかりつけ医を持つメリットとは?作り方と長く付き合うためのポイント
持病の治療で定期的に通院していても、ちょっとした体調の変化や薬のことを気軽に相談できる医師が決まっていない、という方は少なくありません。
どこに相談すればよいか迷う場面が続くと、受診そのものが負担になることもあります。
本記事では、かかりつけ医を持つことで日常の通院がどう変わるのか、そして自分に合った医師をどのように見つけ、付き合っていけばよいのかをご紹介します。

Contents
かかりつけ医とは何か
かかりつけ医とは、日常的な診療や健康管理を身近な場所で担ってくれる医師のことです。
2025年4月からは「かかりつけ医機能報告制度」が始まり、医療機関が自院の持つ機能を都道府県に報告し、公表する仕組みが整えられました。日常的な診療に対応できるか、専門的な医療機関と連携する体制があるかといった内容が対象です。
ただし、これは医療機関側の体制に関する制度です。患者側が特定の医師と手続きや契約を結ぶ必要はなく、かかりつけ医であること自体に料金が発生することもありません。
自分が信頼できると思った医師を「私のかかりつけ医」と位置づけてよい、というのが基本的な考え方です。
診療所か大きな病院かという区分もありません。現在通院している医療機関の医師をかかりつけ医と考えても差し支えありません。
かかりつけ医を持つメリット
かかりつけ医がいると、持病がある方の通院にはいくつかの利点があります。とくに複数の医療機関に通っている方ほど実感しやすい3つのメリットをご紹介します。
体調が変わったときに相談する先が決まる
かかりつけ医がいると、体調に変化があったときに「まずどこへ行くか」で迷う時間が減ります。症状ごとに受診先を探し直す負担がなくなるためです。
継続的に診てもらっている医師は、普段の検査値や体調の傾向を把握しています。そのため、いつもと違う状態に気づける場合があります。
健康診断で再検査や精密検査を指摘されたときに、その結果を持って相談できる先があることも安心材料の一つです。
なお、緊急性が高いと感じる場合は、救急要請を優先してください。
医療情報が一か所に集まる
かかりつけ医を決めておくと、自分の医療情報が一か所に蓄積されていきます。病歴や検査の経過、体質、生活状況といった情報がそろっていれば、診療の際に医師が状態を把握しやすくなります。
複数の診療科に通っている場合でも、そのうちの一人をかかりつけ医と決めておけば、他院での治療内容や服薬の状況をその医師に伝えておくことができます。
検査値のような記録だけでなく、生活の変化や体調の経過も含めて、一人の医師が全体を把握している状態を作れます。
持病の治療で長く通っている医療機関があれば、すでにそうした情報は蓄積されています。あらためて探し直さなくても、その医療機関をかかりつけ医と位置づけても差し支えありません。
必要なときに他の医療機関へつながる
より専門的な検査や治療が必要になったとき、かかりつけ医から紹介状(診療情報提供書)を書いてもらうことができます。これまでの検査結果や治療の経過が引き継がれるため、紹介先の医師も経過を踏まえたうえで診察を始められます。
費用の面でも違いが出ます。紹介状を持たずに特定機能病院や200床以上の地域医療支援病院などを受診した場合、通常の診療費とは別に「特別の料金(選定療養費)」の支払いが義務付けられています。
費用は、義務化された最低ラインとして消費税込みで初診7,700円以上、再診3,300円以上と定められています。実際の金額は医療機関によって異なるため(初診で8,800円など)、受診前に公式サイトなどでご確認ください。
余分な費用を抑えるためにも、まずはかかりつけ医から紹介状を出してもらうとスムーズです。
なお、紹介状の作成には保険が適用され、自己負担割合に応じた費用が生じます。金額については受診先の医療機関へお問い合わせください。
セカンドオピニオンについては、以下の記事で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
かかりつけ医の作り方
かかりつけ医を作るために特別な手続きは必要なく、現在通院している医療機関をそのまま位置づけても構いません。ここでは、新たに探す場合の進め方を4つの段階に分けてご紹介します。
探す:身近な医療機関を調べる
かかりつけ医は継続して通う前提になるため、無理なく通い続けられる範囲で探すことが出発点です。持病があると受診の頻度が高くなるため、通院そのものが負担になると足が遠のいてしまいます。
自宅や職場からの距離に加えて、診療時間と休診日が生活リズムに合うかも確認しておきたい点です。仕事帰りに寄れるか、土曜日に診てもらえるかは、通い続けやすさに直結します。
高齢のご家族のかかりつけ医を考える場合は、本人が一人でも通える距離かどうかも確かめておきたいところです。
医療機関を調べる際は、厚生労働省が運用する医療情報ネット(ナビイ)が利用できます。診療科目や診療日、診療時間のほか、対応可能な疾患やかかりつけ医機能といった条件からも、地域ごとに検索できます。
試す:一度受診して相性を確かめる
候補が見つかったら、まずは一度受診してみてください。軽い体調不良や健康に関する相談、予防接種などの機会を利用すると、負担なく試すことができます。
このとき確かめておきたいのは、症状を伝えやすいかどうか、医師の説明が自分にとって分かりやすいかどうかです。専門用語をかみ砕いて説明してくれるか、質問したときに応じてもらえるかは、実際に受診してみると分かります。
初回で決めきる必要はありません。いくつかの医療機関に足を運んでから決めても構いません。
決める:自分のなかで位置づける
かかりつけ医は、申し込みや宣言をして決まるものではありません。この医師に継続して診てもらいたいと思えたら、その時点で自分のかかりつけ医と考えて差し支えありません。
持病がある場合は、その疾患を継続して診てもらえる体制があるかも確かめておきたいところです。同じ内科でも医師によって力を入れている領域は異なるため、通院している疾患に関わる診療経験があるか、定期的な検査や管理に対応しているかを見ておくとよいでしょう。
どの医療機関が適しているかは症状や状態によって異なるため、迷う場合は現在通院している医師にご相談ください。
決めたあとは、診察の際に「今後もこちらで継続して診ていただきたい」と伝えておくと、その後の相談が進めやすくなります。医師の側も継続を前提とした診療がしやすくなるためです。
続ける:情報を共有しながら通う
かかりつけ医との関係は、受診を重ねるなかで育っていきます。症状を伝えるときは、いつから、どこが、どのように悪いのかを整理しておくと、限られた診察時間でも伝わりやすくなります。
薬を受け取るだけの受診で終わらせず、気になっている体調や生活の変化も伝えておくことをおすすめします。他院での受診歴や服薬内容、市販薬やサプリメントを使っている場合は、その内容も共有しておくと診療の際に役立ちます。
なお、症状を実際より重く伝えたり、逆に我慢して軽く伝えたりすると、状態が正確に伝わりません。感じているままを伝えることが、適切な診療につながります。
かかりつけ医をお探しの方に向けたBeMECのサービス
かかりつけ医を探しているものの、近所にどんな医師がいるのか分からない、持病を長く診てもらえる医療機関を見つけたい、という方は少なくありません。医師の診療経験や専門としている領域は、インターネットで調べただけでは分かりにくいのが実情です。
当社では、身近に相談できる医師をお探しの方に向けて、個人向けの「コンシェルジュドクター」と、企業の経営者や役員に向けた「Superかかりつけ医」をご用意しています。いずれも現役大学教授や元教授などの医師陣が、お客様一人ひとりの健康や医療の不安にお応えするサービスです。
クリニックのかかりつけ医の場合、相談したいことがあっても次回の診察日まで待つことになります。
当社のサービスでは、LINEやメール、オンライン面談で、その場でご相談いただけます。急な体調不良のときや、検査結果について気になることがあるときも、時間や場所を問わずお使いいただけます。
お客様の過去の検査データや既往歴、服薬中の薬の情報も管理しているため、急なご相談でも、これまでの健康状態を踏まえたアドバイスが可能です。
なお、いずれも保険診療とは費用の扱いが異なります。サービス内容や費用については、お気軽にお問い合わせください。
身近に相談できる医師をお探しの方は、まずはサービス内容をご覧ください。
【FAQ】かかりつけ医に関するよくある質問
最後に、かかりつけ医を持つにあたって迷いやすい点をまとめました。
Q:何科をかかりつけ医にすればよいですか?
体調全般を幅広く相談したい場合は、内科や総合診療科が候補です。かぜや発熱といった日常的な不調から、健康診断の結果の相談まで対応してもらえるためです。
持病がある場合は、その疾患で継続的に通っている診療科が軸になることもあります。すでに体調や検査値の経過を把握してもらえているため、別の不調が出たときにも相談しやすくなるためです。
どの診療科が適しているかは、症状や状態によって異なります。判断に迷う場合は、現在通院している医師にご相談ください。
Q:かかりつけ医は変更できますか?
変更できます。かかりつけ医は自分で選ぶものなので、途中で見直しても差し支えありません。
引っ越しで通いにくくなった、生活リズムが変わって診療時間が合わなくなった、相談しづらさを感じるようになったなど、理由はさまざまです。
合わないと感じたまま通い続けるより、通いやすい医療機関へ移すほうが受診も続けやすくなります。
変更する際は、それまでの経過を新しい医療機関へ引き継げるようにしておくと安心です。紹介状を書いてもらうほか、検査結果や服薬内容をご自身から伝えても構いません。
Q:かかりつけ医は複数持てますか?
診療科ごとに複数のかかりつけ医を持つことができます。内科は近所のクリニック、眼科は別の医院というように、通っている診療科がそれぞれある方も多くいらっしゃいます。
その場合は、体調全般を相談できる医師を一人決めておくと、情報が分散しにくくなります。
他院で処方されている薬や治療の内容を伝えておけば、薬の重複や飲み合わせを確認しやすくなります。
まとめ
かかりつけ医は、申し込みや契約をして決まるものではありません。
信頼できると思った医師を、自分で選べるものです。持病があり定期的に通院している方であれば、今の医療機関をそのままかかりつけ医と考えることもできます。
かかりつけ医がいることで、体調が変わったときに相談する先が決まり、医療情報が一か所に集まり、必要なときには紹介状を通じて他の医療機関へつながります。
新たに探す場合は、通いやすい範囲で候補を挙げ、一度受診して相談のしやすさを確かめ、継続して診てもらいたいと思えたら自分のかかりつけ医と考える、という流れで進められます。
なお、かかりつけ医が見つからないときや、医師の選択で迷われたときは、BeMECの名医紹介サービスをご検討ください。病状やご希望に応じた医師をご紹介しています。
医師選びでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

投稿者
横浜市立大学医学部肝胆膵消化器病学 客員教授
大阪大学大学院医学系研究科 招聘教授
香川大学医学部肝・胆・膵内科学先端医療学 元教授
FeliMedix株式会社 代表取締役会長・創業者・代表医師
高知大学医学部大学院医学研究科卒



