日本人に合った最適な食事バランスや理想的な食事方法を解説
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からだは『食べ物』からできています
私たちの身体の中では、日々たくさんの細胞が生まれ変わっています。その細胞の材料となるのが『食べ物』です。つまり、身体はあなたが食べたものでできているのです。
当然、食事の質が生まれてくる細胞の質に影響します。質の悪い食事は、代謝を低下させたり、悪い物が溜まることで悪い細胞を生み出したりと、様々な病気を発生させる要因になります。
今一度、自分の細胞たちが喜ぶ食事をとっているかどうか、ご自身の食事の内容を見直してみてください。できることから少しずつ意識して改善されると、きっと数か月後、数年後の身体が今よりももっと輝いているはずです!!
現代人の食生活における問題点
現代は、美味しい食べ物で溢れかえっていますが、好きなものを好きなだけ食べられる現代だからこそ、自分で食事に気を配る必要があります。
戦後、食の欧米化が急速に進んだ日本では、動物性たんぱく質や脂質が増え、逆に炭水化物や食物繊維の摂取量が減少しました。野菜に関しては、いずれも摂取目標量に達せず、特に若い世代は不足が目立ちます。豊かさの中での現代型栄養失調を懸念しなければいけない状況になっているのです。
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日本人に合った最適の食事バランス
私たち日本人には、日本人に合った食生活があります。世界各地で風土が異なり、その環境に適した食べ物があります。また、先祖代々受け継いだ腸内細菌の働きによって、食べたものが代謝され吸収されます。同じものを食べても、腸内細菌が異なると違ったものに分解されます。その結果、プラスに働くこともあればマイナスとはいかないまでも、効果がない場合もあります。
最近では、栄養価や単一の成分を取り出して何に効く等言われていますが、単一の成分だけでは健康的な身体づくりのために必要な栄養素は十分補えません。
下の図『オプティマルフードピラミッド』の食事バランスを意識してみてください。この食事バランスを実行してくださる方の治癒力は高いです。
お野菜が食事全体の 40%を占めていますか?
『日本人の野菜摂取目標量は350g』
「野菜はちゃんと食べています」という方も、食べている野菜のほとんどが栄養の少ない淡色野菜だったりします。しかも、今の野菜は品種改良やハウス野菜の普及により、ビタミン類が非常に少なくなっています。旬の野菜は栄養価も高いので出来るだけ旬のものを多種類取るように心がけましょう。
日本人の野菜摂取目標量は、350gといわれています。350gといってもイメージしづらいですが、片手いっぱいに乗せられる野菜の量(ベジハンド)が約60gなので、1日合計6べジハンドを目標にしましょう!
現代人はミネラル不足
現代人はカロリーは十分に取れていますが、ミネラル不足になりがちです。 化学肥料で育てた農作物が主流になったこと、食品が精製されたり加工されることでミネラルは流失していきます。また、化学調味料を使うことで、出汁を取らなくなったことも原因の一つです。
ミネラルは下図のように生命活動のすべてに大きく関わっています。ミネラル補給のために簡単にできることは、『だしをとる』ことです。昆布、いりこ、かつおぶし、干ししいたけでだしをとり、料理に活用して下さい。
効率の良いたんぱく質の摂り方
たんぱく質は、アミノ酸が多数結合した高分子化合物で、筋肉や臓器など体を作るだけでなく、たんぱく酵素やホルモン、免疫物質の材料としてさまざま機能を担っています。アミノ酸には体内で合成できる『非必須アミノ酸』と、合成出来ない『必須アミノ酸』があり、必須アミノ酸は食事から摂取する必要があります。
厚労省のたんぱく質推奨量は、18~64歳の男性は一日65g、65歳以上の男性は60g、18歳以上の女性は一日50gとなっています。たんぱく質はたくさん摂れば良いのではなく、私たちの身体の材料になるものを効率的に摂ることが大切です。余分な物は分解して排泄しなければならず、肝臓、腎臓に負担がかかりエネルギーも消費してしまいます。また、最近ではプロテインが流行していますが、摂りすぎは腎臓に負荷がかかりますので注意が必要です。
身体を作るのに最適なアミノ酸は『アミノ酸スコア』という指標で表されます。たんぱく質というと、肉をたくさん食べないとと思い込んでいる方もいらっしゃいますが、穀類にもたんぱく質が含まれています。とくに、米+豆の組み合わせのたんぱく質は、必須アミノ酸のバランスがとても良く、肉のように余分な脂質を気にする必要もありません。大豆以外の豆も大豆同様、たんぱく質や植物繊維を含むので大いに利用しましょう。
色々な食品からバランスよくたんぱく質を摂取しましょう。消化の悪い大豆を発酵させ、『納豆』『しょうゆ』『みそ』にすることで、たんぱく質が吸収されやすいアミノ酸に分解されますので、自然発酵した醸造の醤油やお味噌を選んでお使いいただくのもおすすめです。
表にはありませんが、『イワシの丸干し』、『しらす干し』等はカルシウム補給にもなりますし、水分が少ない分重量の約半分はタンパク質なのでおすすめです。また、お手軽に使える『鰹節』はなんと重量の75%もがタンパク質で、必須アミノ酸全てを含んでいるのでぜひご利用下さい。
食材の選び方
『ま・ご・わ・や・さ・し・い』
下の図を参考に、色々な栄養素を積極的に日々食事に取り入れていきましょう。有害な化学薬品、添加物を含まないもの、自然な加工のものを選ぶようにして、化学肥料による不自然な栽培のものなどは避けるようにしましょう。
良質な油をとりましょう
油(脂質)は、たんぱく質や糖質と並ぶ『三大栄養素』の一つです。油は体に良くないとか、肥満の原因になるのではないかと思われがちですが、油は身体を動かずエネルギー源であり、身体の細胞やホルモンの材料になります。また脂溶性ビタミンの吸収を促したり、恒常性(ウイルスなどの外敵が身体に入ることを防いだりする働き)のバランスを整えてくれるなど、健康を保つために欠かせないものです。ただ、油なら何を摂ってもいいというわけではありません。質の良い油を適量摂ることが大事です。
自分の体重(kg)÷2=1日の食用油の合計摂取量(g)の適量
たとえば体重50kgの場合は、25gが目安となります。この25gをどういった油で摂取するかが重要であり、できるだけ日頃の食生活で不足しがちなオメガ3を補いたいところです。
油の主な成分は脂肪酸です。脂肪酸には「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の2種類があります。
飽和脂肪酸は、常温では固形の油というのが特徴で、肉やラード、バターなどの動物性脂肪に多く含まれます。体のエネルギー源として重要な役割を持つのですが、飽和脂肪酸の摂りすぎは血液中の悪玉コレステロールや中性脂肪を増やし、動脈硬化や心疾患の危険性を高めるので、摂りすぎに注意すべき油です。生クリームや菓子パンにも多く含まれており、知らないうちに摂りすぎてしまいがちですので注意しましょう。
不飽和脂肪酸は、逆に体内のコレステロールを下げる働きがあり、積極的に摂ることで健康につながるとされています。
積極的に摂るべき油:えごま油、アマニ油など
『オメガ3系オイル』を積極的に摂取すれば、悪玉コレステロールや中性脂肪を減らせるだけでなく、心疾患やがんなどのリスクも下げられると言われています。また、女性ホルモンを整えたり、睡眠の質を向上させたり、目や毛髪、皮膚のバリア機能を向上させるなどの効果も見込めます。
酸化しやすい油なので冷蔵保存してください。また加熱して高温になると、有効成分が壊れてしまうばかりか、トランス脂肪酸が発生するので、加熱調理は避けましょう。
なお、オメガ9系オイルに分類されるオリーブオイルは、「積極的に摂るべき油」とまでは言えませんが、便秘解消や血液浄化などに役立ちます。「抗酸化作用」がありますが、開封後2カ月以上経過すると酸化が進んでしまいますので、開封後は早めに使い切るようにしましょう。
摂る量を控えるべき油:サラダ油、ごま油、コーン油、大豆油など
『オメガ6脂肪酸』を多く含む油です。オメガ6も人体に欠かせないものですが、現代の日本人の食事で最も摂取機会が多く、摂りすぎの傾向にあります。オメガ6の過剰摂取は、心疾患やがんなどのリスクにもつながりますので、摂取量を控えることを意識してください。また、牛脂やバターに含まれる『動物性油脂』(魚の脂身はOK)。メタボリック症候群の1番の原因は動物性油脂とされるので、意識してセーブしましょう。
乳製品の脂肪分にも要注意です。乳製品は体にいいと思われがちですが、脂肪分をとりすぎてしまうと、結果的に心臓に負担をかけてしまうので気をつけましょう。
なるべく摂らないほうがいい油:トランス脂肪酸
マーガリン、ショートニングなどに含まれる『トランス脂肪酸』です。トランス脂肪酸を摂ると、心臓病などのリスクが高まります。菓子パン、レトルト食品、お菓子なども、成分表示の原材料名に『植物油脂』と記載があれば、トランス脂肪酸が含まれている可能性が高いので注意が必要です。
糖質を控えましょう
「糖質」と聞くとお菓子や砂糖などの甘いもの思い浮かべる方が多いと思いますが、糖質はごはん、パン、麺類などの呼ばれる炭水化物をはじめ芋類、果物、菓子、ジュース類などの多くの食品に含まれています。
食物から取った炭水化物のうち、糖質は分解されてブドウ糖の形となり主に小腸で吸収された後、肝臓に送られます。一部は血中に入り全身に送られます。ブドウ糖は、脳や筋肉などでエネルギーとして使用されますが、過剰になったブドウ糖は肝臓や筋肉にグリコーゲンとして蓄えられたり、中性脂肪として脂肪細胞などに蓄えられます。筋肉や肝臓、脂肪組織へのブドウ糖の取り込みは、すい臓から分泌されるホルモン『インスリン』によって行われます。運動不足や食事量の過多などが原因で、消費エネルギーを上回る糖質を摂ると、肥満の原因となったり、血糖値上昇による糖尿病などの生活習慣病発症のリスクが高まります。
血糖値を下げる作用のあるインスリンは、糖分や脂質を体内に取り込む作用を持っています。このため、急激な血糖上昇は急激かつ過剰にインスリンが増加するので、肥満の原因となります。
急激に血糖値を上げないための工夫として、食事の初めにサラダなどを多く摂取してからごはんなどの糖質を摂るのがお勧めです。サラダなどにより血糖の吸収がゆっくりとなるためです。また、食事の早食いも血糖値を急激に上昇させる危険性があるので、ゆっくりと食事をするように心がけてください。
糖質制限のやりすぎは危険!
一方、最近流行りの『糖質制限』ですが、長期に行うのは危険性が高いことが分かっています。日本人が食べる食事の内、糖質の割合は一日平均で57g程度と言われています。しかし、厳しい「糖質制限食」は20g以下に抑えることによる急激な体重減少が目的です。確かに体重が急激に減るのですが、長期に実施すると体がだるくなったり、意欲の低下や記憶力の低下が起こってきます。また、糖質の代わりに脂質を多く摂ることになるため、動脈硬化などが急激に進むことにより生命予後はむしろ低下する、との研究報告もあります。したがって極端な糖質制限食(1食あたり糖質20g以下)はお勧めできません。穏やかな制限食(ロカボ:1食あたり40~50g)が適量だと言われています。
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果糖の摂りすぎには注意を!
甘い物が食べたい時に、お菓子を食べるよりは、ビタミンやミネラル等が摂取できる果物を食べる方がおすすめですが、果物には『果糖』が多く含まれており、食べすぎは内臓肥満や脂肪肝の原因になります。
糖質の中でも『ブドウ糖』は全身でエネルギーとして利用され、余った分は肝臓や筋肉にグリコーゲンとして貯蔵されます。一方で果糖は遊離脂肪酸を介して中性脂肪に変換されやすく、過剰に摂取した場合は内臓脂肪(および皮下脂肪)や肝臓に蓄積されます。このため、果糖の過剰摂取はぶどう糖よりも内臓肥満や脂肪肝になりやすいのです。
また、果糖は清涼飲料水やコーラなどの炭酸飲料にも多く含まれています。清涼飲料水の甘味料は主に、トウモロコシやイモなどから人工的に作られた『果糖ブドウ糖液糖』が使われています。つまり「人工の果糖」なのです。果糖ぶどう糖液糖は砂糖よりも安価で甘いため、清涼飲料水や炭酸飲料などに使われています。このため、清涼飲料水や炭酸飲料などの摂りすぎは内臓肥満や脂肪肝の悪化の原因となるのです。
例えば500mlのコーラ1本に砂糖換算で53gが含まれています。つまり、500mlのコーラを飲み干すと、スティック(3g/本)17本もの砂糖を一度に摂ることになるのです。甘さの少ないスポーツドリンクでも7本もの砂糖を摂ることになります。さらに、砂糖よりも太る「果糖」ですから、肥満や脂肪肝、メタボになりやすいのはなおさらです。果糖が多い果物や清涼飲料水の摂りすぎには注意をしてください。(下図参照)
塩分を控えましょう
目標:1日6gまで ※より少なくするのが理想
食生活の中でも、まず見直したいのが塩分の摂取量です。減塩による降圧効果には個人差がありますが、世界的にみても日本人は塩分をとりすぎている傾向があるので、まず減塩を心がけることが大切です。日本高血圧学会のガイドラインでは、1日当たりの塩分(食塩)摂取量の目標を6g未満と設定していますが、同時に「より少なくすることが理想」ともしています。これは、米国ではすでに理想的な摂取量を「3.8g」とするガイドラインが示されているためです。
料理をする際は薄味を心がけ、天然だし(昆布・しいたけなど)をしっかり取りましょう。減塩の調味料を利用することもおすすめです。タレや下味の強い物は避け、漬物、佃煮、肉加工品(ハム・ソーセージ)、インスタント食品などは控えましょう。また、外食や惣菜は一般的に味付けが濃いため、できるだけ頻度を少なくするようにしましょう。麺類は汁を飲まないようにしたり、しょうゆやソースはかけずに小皿に取り少量ずつ付けて食べる工夫も効果的です。
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