SARS(重症急性呼吸器症候群)
重症急性呼吸器症候群(SARS)は、2002年から2003年にかけて世界中で発生した感染症で、特定のコロナウイルス(SARSコロナウイルス)が原因となっています。このウイルスに感染すると、高熱や呼吸器症状、全身倦怠感などが現れ、急速に進行する肺炎を引き起こす特徴的な症状が現れます。SARSは、飛沫感染や接触感染によって拡がり、集団感染が起こりました。感染拡大を抑制するためには、感染者の隔離や検疫、手洗いやマスクの着用、感染症対策の徹底が必要でした。世界中で多くの人が感染し、重症化や死亡例も報告されましたが、感染拡大が収束するとともに新たな感染は見られなくなりました。SARSは、感染力が強く、重篤な症状を引き起こすため、国際的な協力と効果的な対策が重要であることを示した感染症の一例とされています。
投稿者
小野正文 教授(医師・医学博士)
香川大学医学部肝・胆・膵内科学先端医療学 教授
東京女子医科大学足立医療センター内科 非常勤講師
日本肝臓学会専門医・指導医・評議員
FeliMedix株式会社 創業者・医療顧問
高知大学医学部大学院医学研究科卒