肝移植
肝移植は、肝不全(肝臓の働きが極端に低下した状態)や損傷の重い肝臓を、健康なドナー(提供者)の肝臓と交換する手術的を行う治療法です。肝臓は、体内で重要な役割を果たす臓器であり、消化や解毒、栄養の貯蔵、代謝など多くの重要機能を担います。肝臓が機能しなくなると、重篤な合併症や命にかかわる状態になることがあります。
肝移植は、主に肝硬変、肝臓がん、急性肝不全、先天性の肝臓疾患などの病気に対して検討されます。手術では、患者の悪くなった肝臓を取り除き、健康なドナーの肝臓を移植します。
提供ドナーにより、生体肝移植(生きている人からの提供)または脳死肝移植(脳死した人からの提供)のいずれかで行われますが、日本では脳死による肝臓の提供が少ないため、多くは生体肝移植が行われています。
肝移植は、患者の生命を救う重要な治療法であり、ドナーとの適合性や手術後のリハビリテーションが重要です。手術後は、免疫抑制薬の服用や定期的なフォローアップが必要となります。現在、肝移植が出来る施設は全国で23施設と限られています。
投稿者
小野正文 教授(医師・医学博士)
香川大学医学部肝・胆・膵内科学先端医療学 教授
東京女子医科大学足立医療センター内科 非常勤講師
日本肝臓学会専門医・指導医・評議員
FeliMedix株式会社 創業者・医療顧問
高知大学医学部大学院医学研究科卒