黄疸
黄疸は、体内のビリルビンという黄色い色素が血液中や皮膚、粘膜に蓄積することによって、目の白目の部分(眼瞼結膜)や皮膚が黄色くなり、尿の色が濃くなることが特徴的な症状です。
ビリルビンは赤血球の分解によって生じる代謝産物で、通常は肝臓で分解・排泄されますが、様々な原因によりこの処理・排泄が滞ると血液中にビリルビンが流れ出し蓄積されることで黄疸が現れます。
黄疸の主な原因には、肝臓の疾患(肝炎、肝硬変)、胆道の閉塞(胆管癌、膵頭部癌など)、赤血球の異常や溶血、新生児のビリルビン処理・排泄能力の低さ(新生児黄疸)などがあります。
皮膚の黄染が現れた場合は、医師の診察が必要で、黄疸の原因を特定して適切な治療が行われます。
ただし、みかんなどの柑橘類をたくさん食べる方は皮膚が黄色くなることがありますが、眼瞼結膜は黄色くならないため黄疸ではないので安心してください。
投稿者
小野正文 教授(医師・医学博士)
香川大学医学部肝・胆・膵内科学先端医療学 教授
東京女子医科大学足立医療センター内科 非常勤講師
日本肝臓学会専門医・指導医・評議員
FeliMedix株式会社 創業者・医療顧問
高知大学医学部大学院医学研究科卒