高級人間ドックや会員制人間ドックと一般の人間ドックの違いとは?|費用やサービス内容、入会方法を解説
健康経営に取り組む企業が増えていることもあり、人間ドックへの関心が高まっています。
人間ドックと聞くと、一般的な健康診断のように不特定多数の利用者が次々と検査を受けるというイメージが強いですが、高級人間ドックや会員制人間ドックとよばれるサービスもあります。
本記事では、一般的な人間ドックと、高級人間ドック、会員制人間ドックは何が違うのか、費用やサービス内容などもあわせて紹介します。
Contents
人間ドックの種類
一口に人間ドックといっても、多くの医療機関で受けられる一般的な人間ドックだけでなく、高級人間ドックや会員制の人間ドックといった種類も存在します。
それぞれどのような違いがあるのか、詳しく見ていきましょう。
一般的な人間ドック
一般的な人間ドックとは、もっとも多くの方が受診している人間ドックです。通常の健康診断よりも健診項目は多く、およそ50〜100項目程度を検査します。検査の日程は半日程度の場合が多く、検査結果は後日自宅へ郵送されます。
高級人間ドック
高級人間ドックとは、一般的な人間ドックよりも検査内容が充実し、医療機関独自のアメニティサービスや高級な食事などが充実したコースです。
医療機関によってもサービスの内容は異なりますが、多くの場合、プライバシーが確保された特別室が設けられています。
また、一般的な人間ドックでは用いられることが少ない最新鋭の医療機器が使用されたりと、検査の精度も高い傾向があります。
高級人間ドックは日帰りのコースもあれば、検査内容によっては1泊2日程度の日程で行われることもあります。
会員制人間ドック
会員制人間ドックは、高級人間ドックと同様に特別なサービスが充実し、プライバシーも確保されています。また、医療機関によっては最新鋭の医療機器で詳細な検査も可能です。
高級人間ドックとの最大の違いは、会員一人ひとりにメディカルチームや顧問医がつき、検査の後も継続して健康管理を行う点にあります。
万が一、病気が見つかった場合にはその医療機関で治療を受けられるほか、状態によってはほかの医療機関へ紹介することもあります。
そのため、一般的な人間ドックや高級人間ドックのように検査料金を支払えば受けられるというものではなく、高額な入会金と年会費を支払わなければなりません。
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検診内容の違い
人間ドックの種類によっても検診内容に違いが見られます。どういった検診を行うのか、3つの人間ドックの種類に応じて詳しく解説しましょう。
一般的な人間ドック
一般的な人間ドックで共通して受けられる項目としては、以下の内容が一般的です。
- 1.内科診察
- 2.身体計測
- 3.眼底・眼圧検査
- 4.肺機能検査
- 5.腹部超音波
- 6.聴力
- 7.心電図
- 8.胃部X線または胃カメラ
- 9.胸部X線
- 10.検尿
- 11.検便
- 12.血液検査
上記に加えて、オプションとしてマンモグラフィ検査や婦人科検診、前立腺腫瘍マーカーなどの検査を受けることもできます。
高級人間ドック
高級人間ドックは医療機関が独自で提供している検査も多いため、必ずしも共通の検診内容とはいえません。一般的な人間ドックでの項目以外では、代表的なものに以下があります。
-
- 1.頭部MRI
- 2.甲状腺超音波
- 3.マンモグラフィ検査
- 4.骨粗鬆症検査 など
会員制人間ドック
会員制人間ドックも高級人間ドックと同様、医療機関が独自で提供している検査が多くあります。検査項目自体は、一般的な人間ドック、および高級人間ドックで行われている内容とほとんど同じですが、最新の検査機器を利用できる場合も多く、より高度で精密な検査が可能です。
さらに、会員制人間ドックならではのさまざまな付加サービスを提供しているところも少なくありません。付加サービスの詳細は「会員制・高級人間ドックの特徴」で紹介します。
費用や値段の違い
人間ドックの種類によっても検査にかかる費用は大きく異なります。一般的な人間ドックと高級人間ドック、そして会員制人間ドックの費用相場をそれぞれ紹介しましょう。
一般的な人間ドック
一般的な人間ドックは検査内容やコースによっても変わりますが、半日程度の日帰りであれば3〜6万円程度が相場です。
会社員の場合、一般的なコースや検査内容のみ会社負担とし、社員の希望によって追加の検査を行う場合には差額分を自費で支払う場合が多いようです。
高級人間ドック
高級人間ドックの場合は、日帰りコースの場合で10万円程度、1泊2日のコースで15〜20万円程度が相場となっています。
医療機関によっては、会員登録をすることで割引を受けられるところも多いようです。
会員制人間ドック
会員制人間ドックは、一般的な人間ドックや高級人間ドックのように、1回あたり◯万円という費用がかかるものではありません。まず、初回に入会費を支払い、その後毎年年会費を支払うことで人間ドックを受けられます。
費用は医療機関によっても異なりますが、入会費で150〜300万円、年会費は50万円程度が相場となっています。
会員制・高級人間ドックの特徴
高級人間ドックや会員制人間ドックでは、一般的な人間ドックにはないさまざまな付加サービスが提供されています。どういったサービスが受けられるのか、代表的なものをいくつか紹介しましょう。
高級人間ドックの特徴
高級人間ドックでは、以下のような付加サービスを利用できます。
- 1.高級レストランでの食事
- 2.プライバシーが確保された個室の利用
- 3.会員専用の通路
- 4.専任のコンシェルジュ
不特定多数の利用者がいる一般的な人間ドックとは異なり、プライバシーが確保されているほか、検査の際に待ち時間がないことも大きな魅力といえるでしょう。
会員制人間ドックの特徴
会員制人間ドックでは、以下のような付加サービスを利用できます。
- 1.管理栄養士による継続的な食事指導
- 2.アンチエイジング治療
- 3.最新の医療機器、治療法による施術
会員制人間ドックは、検査だけでなく食事指導やアンチエイジング治療など、継続的にさまざまな医療のサポートを受けられるのが最大の特徴といえます。
会員制・高級人間ドックが富裕層や経営者に人気な理由
会員制人間ドックや高級人間ドックは、一般的な人間ドックに比べて検査費用が高額です。そのため、特に富裕層や企業経営者に向けたサービスといえるのですが、なぜこういった人間ドックが支持を集めているのでしょうか。
大きな理由のひとつに、会員のプライバシーが確保されていることが挙げられます。経営者の健康状態というのは、ときに企業経営に大きな影響を及ぼします。「経営者が大病を患っている」、「健康状態に不安がある」という情報が外部に漏れた場合、株価に影響します。
そのため、特にセンシティブな情報である健康状態が万が一外部に漏れないよう、高い費用を支払ってでも会員制人間ドックや高級人間ドックを受けたいというニーズが高いのです。
会員制・高級人間ドックの入会方法について
会員制人間ドックや高級人間ドックを受けるためには、入会手続きを経る必要があります。
各医療機関が用意している申込書や、入会金を支払うための口座振替依頼書などに記入した後、それぞれの医療機関で審査が行われます。
審査に通過した場合、入会金と初年度年会費を支払い、人間ドックを受診できるようになります。
自分に合った人間ドックの選び方
自分に合った人間ドックを選ぶためには、主に以下の3つのポイントを念頭に置いておくことが重要です。
- 1.どのような検査項目に対応しているか
- 2.予算内に収まるか
- 3.人間ドックを行う医療機関
特に重要なのが、どのような医療機関で人間ドックを行うのかということです。検査の結果、万が一深刻な病気が見つかった場合に備え、レベルの高い医師による診療を担保できる大学病院や、契約医療機関で人間ドックを受けることが理想的といえるでしょう。
BeMEC倶楽部の人間ドックは大学病院が共同で作り上げた高級会員制人間ドックサービスを提供
BeMEC倶楽部では、大学病院との共同でつくり上げた高級会員制人間ドックを提供しています。その人にとってどのような検診が理想的なのか、具体的なメニューを提案し、できるだけ身体に負担をかけないよう配慮します。
また、専任の看護師がつき人間ドックの予約を代行してくれたり、検診後に異常や気になることがないか連絡をし、万が一の際には提携の医療機関や医療顧問とのカウンセリングも調整します。
また、BeMEC倶楽部ではもともと名医紹介サービスを提供しているため、病気が見つかった場合には無料でトップ名医の紹介を受けることもできます。
まとめ
高級人間ドックや会員制人間ドックは、一般的な人間ドックとは異なりプライバシーが確保され、健康情報が外部に漏れる心配もなく安心して受診できるメリットがあります。
経営者にとっては便利なサービスといえますが、万が一に備えて適切な治療を受けられる医療機関を選ぶことも重要です。
◆名医を探す方法・探し方とは?後悔しない治療のために知っておくべきこと
記事監修 小野正文について
小野正文 教授(医師・医学博士)
香川大学医学部肝・胆・膵内科学先端医療学 教授
東京女子医科大学足立医療センター内科 非常勤講師
日本肝臓学会専門医・指導医・評議員
FeliMedix株式会社 創業者・医療顧問
高知大学医学部大学院医学研究科卒。
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、メタボ肝炎の研究・診断・治療の我が国を代表する「トップ名医・研究者」の一人。NASH研究の世界的権威である、米国Johns Hopkins大学 AnnMae Diehl教授および高知大学 西原利治教授に師事。2011年から10年に渡り、診療指針の基準となる「NAFLD/NASH診療ガイドライン」(日本消化器病学会・日本肝臓学会)作成委員を務める。
受賞:2000年第13回日本内科学会奨励賞受賞, 2008年第43回ヨーロッパ肝臓学会(EASL)、
2008 Best Poster Presentation Award受賞など国際的に高い評価を得ている。また、NASHに関する和文・英文の著書・論文数は400編を超える。
代表論文:Lancet. 2002; 359(9310), Hepatology. 2007; 45: 1375-81, Gut. 2010; 59: 258-66, Hepatology. 2015; 62: 1433-43, Clin Gastroenterol Hepatol. 2022 Jan 17, など